「君たちに明日はない」
垣根 涼介 著 「君たちに明日はない」読了。
★★★★★★☆☆☆☆☆☆
内容(「BOOK」データベースより)
リストラを専門に請け負う会社に勤めている真介の仕事は、
クビ切りの面接官。昨日はメーカー、今日は銀行、女の子に泣かれ、
中年男には殴られる。はっきり言ってエグイ仕事だ。
それでもやりがいはあるし、心も身体も相性バッチリの恋人もいる。
そして明日は…?笑って唸って泣かされる、女と男の危ういドラマ。
垣根涼介といえば
「ワイルド・ソウル」とか、「ヒートアイランド」とか、
いつも強くてアウトローな男が主人公で、
デカイスケールと畳み掛けるような疾走感で
結構重い社会問題をテーマにしながらも楽しめる
ヒロイックな勧善懲悪スッキリ小説って感じで
好きだったんだけども、
今回の「君たちに明日はない」はかなり趣が異なる。
主人公はリストラの請負会社の社員で、
リストラ対象の人々との面接の中で、
いろいろな人生の悲喜こもごもを目の当たりにし、
のめりこんでいく。
なんともハートフルなお話なのだ。
そんな感じ。
恐らく著者にしても結構チャレンジだったんじゃないだろうか。
個人的にはいつもの垣根ブシの方が好きだけども、
やっぱりリストラ請負会社という設定とか、
魅力的な人物描写、
ユーモア、そしてストーリのまとめ方はうまいなぁ、
という感じ。
しかしかなり作風は違うけれども、
どうしても車とかバイクにはこだわってしまうらしいw