「地下鉄(メトロ)に乗って」


浅田 次郎 著「地下鉄(メトロ)に乗って」読了。
★★★★★★★☆☆☆


内容(「BOOK」データベースより)

永田町の地下鉄駅の階段を上がると、そこは三十年前の風景。
ワンマンな父に反発し自殺した兄が現れた。さらに満州に出征する父を目撃し、
また戦後闇市で精力的に商いに励む父に出会う。
だが封印された“過去”に行ったため…。
思わず涙がこぼれ落ちる感動の浅田ワールド。吉川英治文学新人賞に輝く名作。


行きの飛行機で読んだ。


もうちょっと海外旅行に合うような、
せめて海外作家の本でも読もうかと思ってたのに、
完全にドメスティック・・・こてこての浅田ワールドw


地下鉄を介して過去にタイムスリップし、
昔の父親に出会う、っておハナシ。


もうやっぱり男としてはね、
自分が生まれるずっと前の、
今の自分と同じくらい、
いやむしろもっと若い父親に会う、
っていう設定はね、
もうそれだけで感動するには十分な気がするんだよね。


フィールド・オブ・ドリームス」なんかもそうだけど、
自分の親父もかつては自分と同じでね、
なんのシガラミも、重い責任もなく、
自分の可能性ばっか夢見てた、
紛れもない青春時代があった、
っつうのはね、
わかっていてもなんだかやっぱり想像できなくて、
そんな親父を現実に目にしちゃうのって、
きっとスゴイうれしくて、
俺だったらそれだけで涙が出ちゃうんじゃないかと思う。


きっとこういう設定はたくさん使われてるんだけど、
時代時代の生き生きとした描写とか、
登場してくるこれまた超アジがある魅力的な人々とか、
やっぱり浅田次郎で、
なんだかほんとに地下鉄で疾走するように、
イッキに読ませて、
そして泣かせる。



ただちょっと最後はあまりに切なすぎるんじゃないの。



でもコレ、映画かなり観たいな。

地下鉄に乗って (講談社文庫)

地下鉄に乗って (講談社文庫)