辺見じゅん 著 「男たちの大和(下)」 読了。
いやぁ、大和の沈没(爆沈)シーンはマジで壮絶。
「負傷者の血が10センチ以上も床にたまり・・・」
「肉片が散乱し・・・」
ウゲー。
3333名の乗組員のうち、生存者わずか260名程度。
わずか8%にも満たない。
10人いて1人生き残るかどうかってとこ。
クラスで4人・・・。
そして生き残っても手足を失ったり、目を失ったり、
一生残る障害を負った人も多い。
あまりにも悲惨。
上巻を読み終えた時に、
「特攻だけはほんとに理解しがたい。」と書いたけど、
下巻を終えて、そして合間に調べたりしてちょっとわかった。
特攻という作戦があれだけ横行したのは、
当時の日本人は、この戦争の最後は本土決戦となり、
戦争に負けた場合には日本人全員がみなごろしになる、と思っていた、ということ。
だから「一億総玉砕」なんつってたし。
と、
最初の特攻作戦はわりと効果をあげたこと、が原因だと思う。
(実はこれは弾薬庫の事故爆発も重なった、奇跡的な効果だったのだけど。)
オレは日本はアメリカが、特攻という作戦を精神的に怖がって、その気迫でもって
追い返す、みたいな、精神面での効果を狙っていただけなのかと思ったんだけど、
特攻がうまくいけば、ほんとにアメリカの艦隊を撃沈できる、そして、
特攻しなければ、本当に日本という国がなくなる、
と思っていたのだね。
まぁ航空機による特攻、それも初期のちゃんとした航空機の特攻ならば、
通常よりはるかに大きな爆弾をかなりの精度をもってぶつけられる、
一機(一人)で戦艦一艘を沈められる、なんていう効果もあったのかもしれないけど、
後期の速度の遅い飛行機での特攻とか、
そして、大和の水上特攻はあまりに無謀な作戦だと思う。
当時の司令本部(大本営)はあまりにヒドイ・・・。
大和は最大で、不沈艦と呼ばれた特別の戦艦だったし、
「水上特攻」という最後を迎えたからこれだけ克明な記録が残っているけど、
きっと他にも一瞬で沈没した船はたくさんあるし、
それらの船も大和と同じくらい悲惨だったんだと思う。
それに
オレが見たり聞いたりした中ではソロモン諸島のガダルカナル島や、レイテ島等の
そのほとんどがマラリアと飢えで死んだという島での陸軍の戦闘は本当に悲惨だ。
そしてなんといってもヒロシマ。
戦争は本当に悲惨で、やっぱりどんくらい悲惨なのか、
誰もがこういう本や映画をみて自分で読んで、観て実感すべきだと思った。
「戦争は本当に悲惨だ。」だけじゃゼンゼン伝わらない。