「将棋の子」


大崎 義生 著 「将棋の子」読了。
★★★★★★★☆☆☆


内容(「BOOK」データベースより)

奨励会…。そこは将棋の天才少年たちがプロ棋士を目指して、しのぎを削る“トラの穴”だ。
しかし大多数はわずか一手の差で、青春のすべてをかけた夢が叶わず退会していく。
途方もない挫折の先に待ちかまえている厳しく非情な生活を、優しく温かく見守る感動の一冊。
第23回講談社ノンフィクション賞受賞作。


オレの好きな「アジアン・タムブルー」とか「パイロット・フィッシュ」の大崎義生。


これがデビューから2作目で、しかも小説ではない。
いまさら、だけど何となく書店で惹かれて読んでみた。



もう30年も生きてるっつうのに、
世の中ほんと知らないことって限りなくたくさんあって、
この「将棋界」っつうのもその一つだったりする。


うちの会社に奨励会出身って人がいて、
なんとなく将棋の奨励会っていうともうハンパじゃなく将棋が強くて、
頭が超いい人が行くトコロ、ってイメージはあったけど、
せいぜいそんなレベル。


この本を読んで、将棋のプロになるということが
どれだけタイヘンなことなのかよくわかった。


どんだけ天才が集まってるのか、とか、
どんだけ棋士達がきついプレッシャーと戦ってるのか、とか、
退会した棋士がどれだけ挫折を味わうのか、とか、
ちょっと前に話題になった羽生義治がどんだけスゴイ人なのか、とか。


とかとか。


特に、23歳までに初段、26歳までに四段にならないと退会という
その厳しい年齢制限には驚いた。



まぁそんな知らなかった将棋界を覗けたのも、
大崎義生の将棋への、棋士への想いもとてもよかったんだけど、
この本の魅力はなんといっても大崎義生の文章


表現も構成もスバラシイと思った。


たまに出てくるウツクシイ一文に打たれる。


正直こんな文章を書けるようになりたい。



「聖の青春」も読んでみよう。


将棋の子 (講談社文庫)

将棋の子 (講談社文庫)