「不思議島」


多島 斗志之 著 「不思議島」 読了。
★★★★★★★☆☆☆


内容(「BOOK」データベースより)

二之浦ゆり子は青年医師・里見に誘われ、瀬戸内海の小島巡りに同行するが、
その際、ひとつの無人島を目にしたことで、過去の悪夢が甦る。彼女は十五年前誘拐され、
その島に放置されたことがあるのだ。里見と交際を始めたゆり子は、彼とともに過去の謎
と向き合う決意を固めるが、浮かび上がってきたのは驚愕の真実だった。
『症例A』の著者が贈る、ドラマとトリックが融合した傑作。


「症例A」が面白かったのと、泣かせる本が続いたので
ちょっと趣向を変えて読んでみた。



もうね、この人もやっぱり天才だと思う。


物語の舞台は瀬戸内海の小島から出ないし、
本当にスケールも小さくて、地味な話なんだけど、
そのプロットがスゴイ。


小説の隅から隅までちりばめられたプロット。
まったく無駄な場面がなく、すべてがラストにつながる伏線であり、
まとめあげられていく様はほんと見事。


しかも解説を読んでさらにびっくりする仕掛けが・・・。



ストーリーとかよりもその技巧で感動しちゃったね。


そしてもちろんそれが、しっかりした人物、風景描写、
セリフまわしとかの上に成り立っている。


映画のように頭の中に瀬戸内海の島々が浮かび、
物語がなんとも不思議な雰囲気で展開していきます。


短いのですぐ読めるし、
ミステリーが好きな人にはオススメ。



ちなみに前読んだ「症例A」のレビューはこちら↓
http://d.hatena.ne.jp/gougejp/20050512


不思議島 (創元推理文庫)

不思議島 (創元推理文庫)