「象の背中」。


秋元 康 著 「象の背中」読了。
★★★★☆☆☆☆☆☆


内容(「MARC」データベースより)

あと半年の命…。末期ガンを宣告された中年男が、妻に、子供に、
そして愛人に最後に遺すものは? 「身勝手すぎ」VS「男の理想」
と賛否両論の小説を単行本化。『産経新聞』連載に加筆・修正。


作詞家として有名な秋元康初の長編小説。


正直、期待が大きすぎたかも。


読み始めからなんか秋元臭が鼻につく。


というのも、
このハナシの主人公は普通の不動産関係の仕事につく48歳の中年男、
という設定なんだけど、2人も子供がいて、ローンも抱えて、
何度も自分をフツーのサラリーマンという割には、
随所に出てくるモノや食べ物や店に対する嗜好、ウンチクが、
フツーのサラリーマンじゃないw


もうこの辺を読んでて浮かぶのは
48歳の中年ではなく、秋元康の顔そのもの。


毎夜こういうところで贅沢に遊び歩いてる姿がちらついて、
感情移入の邪魔をする。


そしてそんな男には
一人暮らしで、仕事ができて、美人で、物分りのイイ愛人がいて、
余命宣告されて、限られた時間なのに、
家族でなく、なおその不倫相手と遊び歩いたりしちゃうわけ。


さらにしまいにゃその愛人のことを家族に話し、
家族全員がそれを理解しちゃうのw


さらにさらに、
今までの人生で悔いの残る別れ方をした人に次々に会い、
それがすべて丸く収まってしまう、という・・・



どんだけ都合がいい話なのか。



なんかアマゾンでは割と好評価なのに、
コレ素直に共感できないのは俺が若いからなのだろうか。
(中年のオジサンなら共感できるのかも)



まぁそもそもこういう設定の小説は相当なモノじゃないと
ノンフィクションにはかなわないと思うけど、


最近ノンフィクションで素晴らしい話をたくさん読んだ後なので
より一層チープに感じたのかも。



まぁとはいえ巻末の児玉清さんとの対談はなかなか良かったし


ぶっちゃけ本文でもホロリと来たシーンもあり、


いくつか素晴らしい言葉もあったので、


一応星4つ。



まぁ俺がどう思おうと
確実に本も映画もヒットするだろうけど。


象の背中 (扶桑社文庫)

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