真山 仁 著 「虚像の砦」。


真山 仁 著 「虚像の砦」 読了。
★★★★★★☆☆☆☆


「ハゲタカ」の著者が、テレビ局をめぐる権力闘争、
メディアによる情報操作を描いた小説。


「ハゲタカ」ほどのリアリティと迫力はないけれど、
真実のジャーナリズムを追求する報道局のディレクターと、
本当の笑いを追及するお笑いのプロデューサー、
そしてテレビ局を監督する総務省の若手エリート調査官
という魅力的な3人が巨大な権力闘争の中で繰り広げる人間ドラマは
「ハゲタカ」同様、イッキに読み通させてしまう面白さにあふれている。


それに、
テレビ局、特に放送免許の仕組み、
そして政治家・官僚とのつながり等については
まったく違うギョーカイにいる自分にはなかなか勉強になる。


まぁ実際はもっともっと暗く深い闇があって、
ドロドロした世界だとは思うけど。


個人的には規制と日本語のカベに守られて、
のうのうとのさばってるテレビ局には
せめてこれくらいの気骨のある社員がいてほしいな、と思った。


読んで損はなし。


虚像の砦 (講談社文庫)

虚像の砦 (講談社文庫)