旅。

小林紀晴「ASIAN JAPANESE」読了。

うーむ、旅について考えさせられた。

長く旅していると、その旅が日常化し、旅に飽き、そして旅に疲れんだろうね。
沢木耕太郎の「深夜特急」のインド編を読んだ時にもそんな気がした。
インドってそういう日本人の長期滞在者が多いらしいね。

なんかね、俺はこういう旅をしたことないからかもしれないけど、そういうのって、いかに物価の安い国に長く滞在するか、っていうことが旅の目的になっちゃっているように感じる。いかに長い間ぼーっと過ごすか、ぼーっと過ごせるところにいられるか、みたいな。

やっぱり「逃避」だ「逃避」。

だからその後日本に帰ってきて、日本の生活に戻れる人はあんまいないだろうなぁ。

しかし、あれだ。
長期の旅に行けるような仕事ってウラヤマシイね。
年に一回一週間の休みがやっとだもんね。
海外旅行は年一回。

あのね、小さい頃(18才)に「世界中の国をこの目で見てみたい。」って思った。
世界ってね、今194カ国あるらしいのよ。
今俺28才。あと40年くらいは生きれそうな感じ。
だからあと40回。海外旅行。
今まで行ったのたった五カ国。あと189カ国。
だから、一回(一週間)につき、4カ国以上回らなきゃいけない。
そうすると一カ国2日か。
ナイナイと中居くんの日本一周みたいになるな。
金のムダ遣いだ。
世界中の国はあきらめよう。

年をとると、こうやってどんどんあきらめることが増えていくんだ。

イッツア・スモール・ワールドでガマンしよう。


でも思いだしたけど、沢口靖子ハマコーのCMで、ハマコーが風景書いた絵の前で
「今アラバマ」って言ってるやつあるけど、あれアラバマじゃないよね。
アリゾナかユタだよね。モニュメントバレーっぽいもの。
元国会議員なのにハズカシイぞ。
アメリカだったら富士山の看板の前で「今 青森にいるよ」っていうのと一緒だ。
あーそんなもんかも。



本文の中で、印象に残った言葉が2つ。

「その人の旅は、その人に似ていた。」

あと小林さん自身、バンコクの安宿の壁に書かれていたとして引用している、

「この世にやるべきことなんてなーんにもない。できることなら苦痛は味わいたくない。世間の人間は、これを現実逃避というが、その通り。しかし、彼らに現実逃避する勇気はあるか?もちろん、否だ。立派な会社勤めも大変なことだが、現実逃避を決心して実行するのは、もっと大変だ。日本の社会の現実に安住するか、そこから逃避するかは、単なる選択でしかないのだ。」