深紅。
いやぁ〜、暑い。暑い。暑い。
暑いけど、スーツのパンツのポケットに穴が開き、若干風通しが良い。
そのかわりポケットに入れたものが全部落ちる。
先ほど足首からタバコがでてきた時には正直びっくりした。
野沢 尚「深紅」読了。
吉川英治文学新人賞受賞作。
「これは奇跡的傑作である。」のウリ文句で購入。
一家惨殺事件被害家族の生き残りの少女が主役。
普通、一家惨殺事件なんかあって、そんでその生き残りの少女が主役っていうと、
その少女がどれだけ深い傷を負って、そしてそこからどうやって立ち治っていくか、
みたいな話を想像すると思うんだけど。
・・・まぁ大体そんな感じです・・・。
ただね、前半と後半でガラッと違ってね、前半はスリリングでこう緊張感を持って
一気に読ませるんだけど、後半はじわじわと深くなんかやわらかーい感じなのね。
で、最後はすっきり系。
読ませ方がうまいんだろうな。一気に読めます。
男だと完全には感情移入できないかもしれないけど。
解説のヒト曰く、最初に読んだ時は、前半がすばらしく、後半はイマイチだったとか。
でも二回目読んだ時は後半の方がむしろ良かった、と。泣いた、と。
オレは逆だった。
最初に読んだ時は前半もよかったけど、後半の心理描写の方がすごく深くてよかったし、
泣きそうになった。
で、二回目にサラサラっと読んだら、解説のヒトが言ってることがよく理解できた。
たぶんそれは、解説のヒトが解説を書くために最初は急いで読んだからじゃないかと思う。
なので、これを読むヒト、最初からじっくり読んだ方がよい。
するとけっこう良い。
まぁちょっと野沢さんの他の本も読んでみたい。