氷壁。

gougejp2005-09-29

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050929-00000159-kyodo-soci

凍結精子で出生、認知せず。東京地裁「著しく不自然」


うーん。難しいニュースだ。
確かに数日の差とかだったらアレだけど、死んでから何年も経って、
子供ができたらなんか許されないことをしてる気がするなぁ。


でも奥さんにとってみれば、愛する旦那が死んじゃったら、
せめてその旦那の血をひいた子供だけでも欲しい!
ってコトになるんだろうなー。


「旦那が生きてるうちに生むか否か決定して、
 死後2年以内ならOK」


なんつーところで落ちついたりするんだろうか。


しかし、これ、認知されなかった場合はその子供ってどうなんのかな?
「私生児」ってことか。
私生児だとどうなんだ?戸籍に入らないの?


ん?( ̄ヘ ̄;)?



井上 靖 著「氷壁」 読了。
★★★★★★☆☆☆☆


内容(「BOOK」データベースより)

穂高の難所に挑んだ小坂乙彦は、切れる筈のないザイルが切れて墜死する。
小坂と同行し、遭難の真因をつきとめようとする魚津恭太は、自殺説も含め
数々の臆測と戦いながら、小坂の恋人であった美貌の人妻八代美那子への思慕を胸に、
死の単独行を開始する…。完璧な構成のもとに雄大な自然と都会の雑踏を照応させつつ、
恋愛と男同士の友情をドラマチックに展開させた長編小説。


上高地つながり。


山岳小説の最高峰と言われていて、舞台が上高地なの。
特に俺らがキャンプした徳沢が舞台になっていると聞いて購入。


で、


まぁ、確かに上高地や、徳沢も舞台になってるんだけど、
あまりに登山ルートと時代背景が違いすぎて、
ちょっと想像のつかない部分も結構あんのな。


俺らが見た大正池河童橋、徳沢ロッジと魚津から見たそれらは
ずいぶん違うんじゃないかなぁ。
見た角度とか。(違う)


しかも俺らあまり地図とか見なかったので山の名前とか出てきても
全然わかんないし。
よってもって魚津がどういうルートで登ってんのか全然よくわからない・・・。


たぶん上高地行った後読むと、そういうところが共感できて良いハズなんだけどね。


しかも本の中ではほとんど季節は冬。
一面雪景色なわけ。


さらに時代のズレは結構すごくて、わらじで山登っちゃったり、
車の呼び方が一環して「自動車」だし。
でかける時は着物が多かったりするし、
あげく長さの単位が全て「尺」。



全然長さわかんねーからコレ。



さらにさらに全然上高地が楽しそうじゃない・・・。


とにかく過酷な登山をして、荷物も激少なくて、
ほとんど食事とかも摂らなくて、
まじで命がけって感じ。


俺らと全然違うの。(あたりまえだけど)



というわけで、あまり自分が上高地行った後だからどう、
ってことはあんまなかったけど、小説としては純粋に面白かったデス。



特に出てくる女性がなんとも魅力的だったのと、(なんか古いけど)
常盤支社長と魚津のね、言葉のやりとりだとか、関係がね、
なかなかよかったね。


描写も非常に丁寧です。


山岳小説、恋愛小説、男の友情物語、とまぁ確かに全部の要素が楽しめる。
(ちょっと古いけど)


ただラストは納得いかない。


ので★6個。(Amazonでは満点)

氷壁 (新潮文庫)

氷壁 (新潮文庫)