超人。
丸山 直樹 著 「ソロ 単独登攀者・山野井泰史」読了。
★★★★★★★★★☆☆
内容(「BOOK」データベースより)
ヒマラヤの大岩壁に果敢な単独登攀で挑みつづける山野井泰史。
その行動と思想を克明な取材で追う。10代のクライミング武者修行からトール西壁、
冬季フィッツロイ、冬季アマ・ダブラム西壁の単独初登を経て、チョー・オユー、
マカルーといった8000メートル峰の壁に挑むまでを描く意欲作。
最強クライマーの素顔を描く迫真のドキュメント。
「こんな男がいることを、多くの人に知ってもらいたいと思い本書を捧げる。」
で始まる。
まさに、俺も、
こんな人がいるということを知ってもらいたいわ。
ほんと。
と思った。
本を読んで、Webで調べて、山野井泰史という人物を知って、今ね。
名前くらいは聞いたことがあるだろうか。
山野井泰史は、単独で、そしてノーマルルートではなく
バリエーションルート(全く登山道じゃないところ)で、
そして無酸素、さらにフリーでのソロにこだわる現在日本最強の登山家である。
ソロで高い山に登る、ということがどれだけ難しいか、
ということを伝えるのがまた難しいけど、
本人が言っているようにソロクライマー
ほぼ100%近く死んでいるの
ソロの場合、何かあっても誰も助けに来てくれない。
持てる装備も限界まで少ない。
岩場でザイル(ロープ)を確保することもできない。
そもそも山野井さんはロープすらほとんど使わない。
(荷物を軽くするため)
何かひとつでもミスがあったらそのまま死に直結する。
山野井さん自身、2年前にはヒマラヤで下山中に壮絶な事故にあい、
手足の指を合計10本も失っている。
それでも今も高峰大岩壁を目指しトレーニングをしているという人。
そのストイックさはマジでハンパではない。
ここまで一つのことにストイックに人生を賭ける人を俺は他に知らない。
(しかもこの人の場合、完全に報酬に執着がない・・・。)
この人の人生は全てクライミングのためにあり、
そしてこの先もそうなのではないかと思う。
とにかくこの人の鉄の意志、モチベーションの高さ、強靭な精神に
感動しない人はいないと思う。
っつうかスゴすぎてあきれるかも。
http://www.evernew.co.jp/outdoor/yasushi/yasushi4-02.htm
↑
山野井さんがWebで書いている山野井通信。
事故にあったこの2002年10月29日の事故の模様はマジで壮絶だ。
http://www.asahi.com/sports/column/TKY200410060138.html
↑
舞の海のコラムで紹介される山野井さん
ココの記述がすごい。
「標高7000メートルで雪崩の衝撃で目が見えなくなったんですね。
それでもハーケンを打つ角度とか、瞬時に判断している自分に感動して
しまいました。それを何十時間も続け、手足が凍っても乱れずに下りる
わけですよね。」
舞の海もこの世俗を超越した崇高さにめまいを覚えた、という。
まじでヤバイですこの人。
- 作者: 丸山直樹
- 出版社/メーカー: 山と溪谷社
- 発売日: 1998/11
- メディア: 単行本
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