「天空の蜂」
東野 圭吾 著 「天空の蜂」読了。
★★★★★☆☆☆☆☆
内容(「BOOK」データベースより)
奪取された超大型特殊ヘリコプターには爆薬が満載されていた。
無人操縦でホバリングしているのは、稼働中の原子力発電所の真上。
日本国民すべてを人質にしたテロリストの脅迫に対し、
政府が下した非情の決断とは。そしてヘリの燃料が尽きるとき…。
驚愕のクライシス、圧倒的な緊迫感で魅了する傑作サスペンス。
親戚に借りて読んだ。
東野圭吾の他の作品とはかなり雰囲気の違う、クライムサスペンス。
こんな話も書けるのかー、とちょっと驚いた。
「必要なのに目を背けたくなるもの」について、
いかに日本人が無関心なのか、とか
いろいろ考えさせられるし、ストーリーはとても良かった。
相変わらず読みやすいし。
ただ、東野圭吾の本って割と当たりハズレがあると思うんだけど、
どっちかっつうとコレは「ハズレ」側だと思うのね。
なんつーか
「のめりこみ感」
がない。
例えばこういったとある重要施設を狙ったテロの話であれば
真保祐一の「ホワイトアウト」の方が緊迫感とかスピード感とかはるかに上だと思うし、
犯行にもなんだか説得力がない。
あっけなくヘリが盗まれちゃったり。
やっぱテロモノって犯人グループがスゴければスゴいほど面白いしね。
そして一番の問題は、登場人物に感情移入ができなかった点。
いまいち魅力的な人が出てこないのね。
まぁきっと書いてる方も何でも器用に書けちゃう分、
あんまりのめりこんで書いてないのかなぁ、っつう感じ。
「容疑者Xの献身」はどうなんだろ。