「夜のピクニック」


恩田陸 著 「夜のピクニック」読了。
★★★★★★★☆☆☆


内容(「BOOK」データベースより)

高校生活最後を飾るイベント「歩行祭」。
それは全校生徒が夜を徹して80キロ歩き通すという、北高の伝統行事だった。
甲田貴子は密かな誓いを胸に抱いて歩行祭にのぞんだ
三年間、誰にも言えなかった秘密を清算するために―。
学校生活の思い出や卒業後の夢などを語らいつつ、親友たちと歩きながらも、
貴子だけは、小さな賭けに胸を焦がしていた。本屋大賞を受賞した永遠の青春小説。


最近女性作家の文章にヤラれる。
(つい最近まで恩田陸って男だと思ってたけど・・・)



恩田陸の本はナニゲに当たりハズレがあると思っていて、
「ドミノ」「ライオンハート」はちょっと微妙だったけど、
ネバーランド」は大好き。


本書はその「ネバーランド」の雰囲気に近くて、かなりイイ。


ノスタルジックなわけ。


もう俺この「ノスタルジー」というヤツにはとにかく弱くて、
映画で言うと「スタンド・バイ・ミー」であり「フィールド・オブ・ドリームス」
であり「ニュー・シネマ・パラダイス」あたりはもうほんとツボ。


ほんとスキ。


で、新潮文庫の紹介によると、恩田陸
なんと「ノスタルジーの魔術師」(!)だったらしい。


うーむ確かに。



ただ高校生が24時間、ひたすら歩いてるだけなんだけど、
その中でいろいろなできごとがあって、
個性豊かな登場人物たちの、
いろいろな心の動きがあって、
それをほんとに瑞々しく細やかに描きだしている。


こういう文章、絶対女の人じゃないと書けないだろうな。


そして、気がつくと完全に自分も登場人物達と一緒に歩いていて、
登場人物達と同じようにあっという間に終わってしまう歩行祭を、
高校生活を、惜しんじゃってたりするわけ。


もっともっと読み続けていたい、と思わせるとてもいい本です。


この本は第二回「本屋大賞」に選ばれてるんだけど、
この「本屋大賞」に選ばれる本って好きだな、俺。



んー、しかしコレは映画観るかどうか迷うなぁ〜。



恩田陸、その他の本読んだ時の書評(を含む日記)。


ネバーランド
http://d.hatena.ne.jp/gougejp/20040723


「ドミノ」
http://d.hatena.ne.jp/gougejp/20060123


ライオンハート
http://d.hatena.ne.jp/gougejp/20060428


夜のピクニック (新潮文庫)

夜のピクニック (新潮文庫)