「夜のピクニック」
内容(「BOOK」データベースより)
高校生活最後を飾るイベント「歩行祭」。
それは全校生徒が夜を徹して80キロ歩き通すという、北高の伝統行事だった。
甲田貴子は密かな誓いを胸に抱いて歩行祭にのぞんだ。
三年間、誰にも言えなかった秘密を清算するために―。
学校生活の思い出や卒業後の夢などを語らいつつ、親友たちと歩きながらも、
貴子だけは、小さな賭けに胸を焦がしていた。本屋大賞を受賞した永遠の青春小説。
最近女性作家の文章にヤラれる。
(つい最近まで恩田陸って男だと思ってたけど・・・)
恩田陸の本はナニゲに当たりハズレがあると思っていて、
「ドミノ」「ライオンハート」はちょっと微妙だったけど、
「ネバーランド」は大好き。
本書はその「ネバーランド」の雰囲気に近くて、かなりイイ。
ノスタルジックなわけ。
もう俺この「ノスタルジー」というヤツにはとにかく弱くて、
映画で言うと「スタンド・バイ・ミー」であり「フィールド・オブ・ドリームス」
であり「ニュー・シネマ・パラダイス」あたりはもうほんとツボ。
ほんとスキ。
で、新潮文庫の紹介によると、恩田陸は
なんと「ノスタルジーの魔術師」(!)だったらしい。
うーむ確かに。
ただ高校生が24時間、ひたすら歩いてるだけなんだけど、
その中でいろいろなできごとがあって、
個性豊かな登場人物たちの、
いろいろな心の動きがあって、
それをほんとに瑞々しく細やかに描きだしている。
こういう文章、絶対女の人じゃないと書けないだろうな。
そして、気がつくと完全に自分も登場人物達と一緒に歩いていて、
登場人物達と同じようにあっという間に終わってしまう歩行祭を、
高校生活を、惜しんじゃってたりするわけ。
もっともっと読み続けていたい、と思わせるとてもいい本です。
この本は第二回「本屋大賞」に選ばれてるんだけど、
この「本屋大賞」に選ばれる本って好きだな、俺。
んー、しかしコレは映画観るかどうか迷うなぁ〜。
恩田陸、その他の本読んだ時の書評(を含む日記)。
「ネバーランド」
http://d.hatena.ne.jp/gougejp/20040723
「ドミノ」
http://d.hatena.ne.jp/gougejp/20060123
「ライオンハート」
http://d.hatena.ne.jp/gougejp/20060428
- 作者: 恩田陸
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2006/09/07
- メディア: 文庫
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