「くちぶえ番長」


重松 清 著 「くちぶえ番長」 読了。
★★★★★★☆☆☆☆


今は大人になり、作家となった主人公が、
ふとしたことから小学4年生の頃の思い出を振り返る、というお話。
当時、主人公の通う小学校に転校してきたマコトは、
何をやっても男の子よりうまくって、
弱きを助け強きをくじく「くちぶえ番長」だった・・・



「小学4年生」に連載されていた、とのことで、
文字も大きく字数も少なく、言葉遣いもかなりわかりやすく、
あきらかに児童文学。


なんだけども。



結構感動します。



著者の他の著書によくあるような中年のヨレやツカレは全くなく、
なんとも切なくあまずっぱいノスタルジックな、みずみずしい青春小説。


物語の始まりや、終わり、全体の構成もコンパクトだけども
とてもうまくまとまっていてすっきりすばらしい。
なんだか小説のお手本のような。
さすが児童文学です。


ぜひ、ナナメからの視点はやめて
心をマッチロに、
純粋な気持ちで読んで欲しい。


小学4年生はさすがに無理(っつうか覚えてない)だけど、
中学生に戻った気持ちで読めば、
さらにきっと感動してしまうと思う。



ちなみに俺の場合、マコトもすばらしいんだけど、
ツヨシのお父さんに感動しちゃった。
こんな父親いいな、こんな父親になんなきゃな、


なんつって



完全に30過ぎの目線じゃねぇか・・・



舞台は1年間だけども、
なんだかこのノスタルジー感は


夏にオススメの一冊です。


くちぶえ番長 (新潮文庫)

くちぶえ番長 (新潮文庫)