「僕がテレビ屋サトーです。 −名物ディレクター奮戦記」


佐藤 孝吉 著 「僕がテレビ屋サトーです。 −名物ディレクター奮戦記」読了。
★★★★★★☆☆☆☆


内容(「MARC」データベースより)

ビートルズ来日」「長嶋茂雄引退セレモニー」「アメリカ横断ウルトラクイズ
カルガモさんのお通りだ」などを手がけた、日本テレビの名物ディレクターの回想録。


日テレのドキュメンタリー担当のディレクターとして、
アメリカ横断ウルトラクイズ」、「はじめてのお使い」等々
数々のヒット番組を世に送り出した著者が綴った回想録。


恐らくテレビの世界を目指してる人とか、
テレビの世界に入った若い人向けに書いてるんだろうけど、
俺みたいに全然関係ない人が読んでも全然楽しめる。


前述の有名な番組がどう出来上がっていたのか、とか、
ビートルズマイケル・ジャクソンが来日した時に密着して見ていた「裏話」とか
その辺だけでもかなり面白いけど、


それだけじゃなくて、


仕事への取り組み方、っつうか熱い情熱、
というものがヒシヒシと伝わってきます。


本当にテレビが、番組を作るということが好きで、
この人にとっての仕事は、好きな事を一生懸命にやることだったんだなぁ、と。


自分はこんな風に仕事ができているんだろうか・・・、なんて
ちょっとアセる。


俺の性格によるところもかなり多いけれど(っつうか殆ど)、
でもやっぱりこの世代の人たちは、
きっと情報や選択肢が少ないが故に、
一つのことに突っ走る人が多くて、
かなわないな、と思う。


かつて大学の友達が話していたけれど、
長嶋茂雄のNo.1理論という本によると、
長嶋は失敗しても失敗しても同じ事を成功するまでやる、んだとか。
他の選択肢は目に入らない、それが彼を特別の存在にしたらしい。



最近の人(俺)の場合、結構やる前から調べちゃったりして、
先を見ちゃおうとするから全力では飛びこめない、なんて事が多い気がするな。


サーフィンなんて、始めた時から
「サーフィンじゃ食ってけない」
なんて、決め付けて、本気で打ち込まなかったもんね。


行動より頭が先行しちゃう。(しかも中途半端に)


まぁもはやコレはコレで止むを得ないかな、なんて思ってるけど。




しかし、さすが名ディレクターだけあって、
最後の数ページの終わり方は見事。


泣けます。


名物ディレクター奮戦記 僕がテレビ屋サトーです (文春文庫PLUS)

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