ただマイヨ・ジョーヌのためでなく。

gougejp2007-09-11



ランス・アームストロング 著 「ただマイヨ・ジョーヌのためでなく」読了。
★★★★★★★☆☆☆


内容(「BOOK」データベースより)

人生は、ときに残酷だけれどそれでも人は生きる、鮮やかに。
世界一の自転車選手を25歳で襲った悲劇―睾丸癌。
癌はすでに肺と脳にも転移していた。生存率は20%以下。
長くつらい闘病生活に勝ったものの、彼はすべてを失った。
生きる意味すら忘れた彼を励ましたのは、まわりにいたすばらしい人々だった。
優秀な癌科医、看護婦、友人たち、そして母親。生涯の伴侶とも巡り合い、
再び自転車に乗ることを決意する。彼は見事に再生した。
精子バンクに預けておいた最後の精子で、あきらめかけていた子供もできた。
そして、彼は地上でもっとも過酷な、ツール・ド・フランスで奇跡の復活優勝を遂げる―。


ずっと読みたかったんだけど、程度のいい古本を見つけたので購入。



ほんとにコレが実話なのか!?


ってほどドラマティックな話です。


この本には書いてないけど、このガンからの復活優勝後、
ツール・ド・フランスにおいてなんと7連覇もしてしまうんだけど、
その事実を知ってるとさらに信じられない気持ちになる。


まぁもともと才能があったとはいえ、
ガンに侵され、1年以上も入院した上、化学治療で筋肉が全てそげ落ち、
その後に再び世界のトップに立つというのはやっぱり尋常じゃない
レーニングがあったんだと思う。


しかもそのレースは距離約3000km、
高低差約2000mを超えるコースを3週間以上にわたって走りぬく、
という超過酷なレース。


自転車の選手になったばかりの頃の記述に、


球技等は苦手だったんだけど、


耐え続けることなら誰にも負けない


みたいなのがあるけど、


ほんとにモノスゴイ意思の強い人なんだろうな、と思う。



ただそんな意思の強い人でも、
病気から復帰後しばらくは何もする気が起きず、
自転車競技も途中で放り出した、
というクダリを読んで、ようやく
ランス・アームストロングも俺らと同じ人間なんだ、
と思ってちょっと安心した。


"It's not about the bike"
の原題どおり、自転車の話ではなく、
どんな絶望的な状況であっても希望はあり、
そして強靭な意志だけが、不可能を可能にする。


そしてそれは誰にでも起こりうるのだ、


という、いろいろな病気に苦しむ人にとって
本当に希望そのものになる、
生きる力を与える本だと思う。


さらに言えば、
やっぱりランスはガンになったからこそ、
その後の偉業を達成できたんじゃないかな、とも思った。


先日の「がんに生かされて」じゃないけど、
「今のその苦しみが、必ずあなたを幸せにする。」



とにかくランスのスゴさ、周りの人のやさしさ、
命の大切さ、そして、
ツール・ド・フランスの過酷さwに感動します。



オススメです。